金魚すくいの金魚がすぐ死んでしまう理由

お祭りの金魚すくいで持ち帰った金魚。

一生懸命お世話しても、いつもすぐに死んでしまう、ということはありませんか?

その原因を一緒に考えてみましょう。

【1番の原因】もともと金魚すくいの金魚は弱っている

そもそも最初から弱っている。これが金魚が死んでしまう理由の中で、もっとも重要な要素です。
飼育方法自体が間違っていることもあるでしょうが、個人的に「最初から弱っている」というのが理由の8割くらいな気がします。

金魚は非常に丈夫な生き物です。少々雑な飼育をしても、すぐに死ぬということはあまりありません。

では、なぜ金魚すくいの金魚たちは最初から弱っているのでしょうか。
その理由を掘り下げてみます。

 

もっとも安価な金魚なので、過酷な環境にさらされている

金魚すくいに使われている金魚は、「小赤」という名前で流通している「和金」という品種です。

この金魚は、流通している金魚の中でもっとも安価です。

安い金魚を売買して、商売として成り立たせるためには、
一度になるべくたくさんの数の金魚を売りさばかなければいけません。

そのためには、袋になるべく沢山の金魚を詰め込みます。
梱包する袋が大きくなると、それだけ多くの送料がかかってしまうからです。

もし袋詰めされる金魚が、養殖池でおなか一杯エサを食べた元気な金魚だったらどうなるでしょうか。

あっという間に袋の中の水が、金魚たちの大量の排泄物で汚れてしまいます。
そうなると、袋の中の金魚は当然全滅してしまいますね。

そういった事故を避けるために、出荷前の金魚は餌を数日抜きます。
そうすることで、小さな袋の中に大量の金魚を詰め込んで輸送することができるのです。

輸送の過程で金魚は弱っていく

養魚場から出荷された金魚は通常、問屋さんへ、そこから小売店へと輸送されていきます。
輸送の過程で、基本的に餌を食べられない状態が続くので、金魚の体力は消耗していきます。
特に金魚すくいがある夏場は金魚の代謝も活発なので、体力の消耗が早いのです。

また、少ない水の中に大量に詰め込まれた状態は、金魚に大きなストレスを与えます。
数が多い分、そして夏場は水質も悪化しやすいので、金魚たちは大ダメージを受けます。

過酷な旅を経て、金魚すくいにたどり着いた金魚たちの様子は?

金魚すくいのプールの中を泳ぐ金魚たち。

きびきび元気に泳いでいる金魚もいれば、ふらふらと、頼りなく泳いでる金魚もいませんか?

他に比べて泳ぎの遅い金魚は、もうほとんど限界まで弱っています。
翌日か数日で死んでしまう運命です。

弱った金魚の方が掬いやすい事も、金魚すくいの金魚が死んでしまう理由の一つでしょう。
弱った金魚は、上から見るとわかりませんが、横から見てみるとお腹がへこんでいることが多いです。

金魚を持ち帰りたいなら、なるべく元気そうな、泳ぎの早い金魚にしましょう。

元気そうに見える金魚も実は?

一見問題なさそうに見えても、金魚が急に死んでしまう事があります。

ぼくは以前熱帯魚屋で働いていた経験があるのですが、
仕入れた「小赤」が何日かするとバタバタと大量に死に始めることがよくありました。

見た目だけではわかりませんが、体力の消耗した金魚は、感染症などの病気を引き起こし、一気に死んでしまうようです。

水が白く濁っていたら、金魚が弱っているかも

金魚は大きなストレスを受け体調を崩すと、体表から大量の粘膜を分泌します。
すると、水が白く濁り水質も一気に悪化します。
プールの中の水が白っぽく濁っていたら、その金魚たちは、弱っている可能性が高いです。

まとめ

簡潔に言うと、持ち帰った金魚が死んでしまうかどうかは、掬った金魚の体力によるところが大きい、ということです。

つまり「運」の要素が大きいのです。
金魚すくい屋さんが、運よく状態のいい金魚を仕入れられるかどうかです。

もちろん飼育方法も大事ですので、次回は金魚すくいの金魚を長生きさせるコツについて記事を書いてみたいと思います。