先日、記事を書くために、チェリーシュリンプ専用の水槽を立ち上げてみました。
改めて本気でチェリーシュリンプに向き合いながら飼育をして、
飼育のコツをまとめていきます。
少しでも皆さんの飼育の参考になればうれしいです。
もくじ
育成方法のまとめ

チェリーシュリンプの育成方法をまとめていきます。
ミナミヌマエビなどの小型のエビにも通ずる部分がありますので、そういった生体を飼育している方はご参考ください。
エビを水槽に入れたら
入れたエビを観察してみましょう。
エサを求めてせわしなく前足をツマツマツマツマしていますか?
余り動かずジッとして、たまに足をツマ・・・ツマ・・・とするくらい。
こういった状態では、失敗してしまう事が多いです。
チェリーシュリンプの状態が戻らず、少しづつ死んでいくパターンです。
この状態から挽回するのは難しいものです。
小型のエビは、水槽に入れてすぐに飼育が上手くいくかどうかがわかります。
水合わせに失敗した?
もちろん水温はしっかりと合わせてあげる必要がありますが、ミナミヌマエビやチェリーシュリンプなどの小型のエビに関しては、
そんなに水合わせに神経質になりすぎる必要はないような気がします。
レッドビーでもそれは同じだと思っています。
エビは水質に非常に敏感、といいますので、水合わせばかりに気がいってしまいそうですが、
肝心な部分はそこではない気がします。
魚を水合わせするように、普通にやっていいでしょう。
水温はちゃんとゆっくり合わせます。
水槽にエビを投入したあと、上手くいかない理由は水合わせというよりも、
水槽の水が、エビに適した水質でないから、というところにあると思います。
飼育が上手くいくコツは
砂利を敷く場合や、何も敷かない場合は、
しばらく小型魚などの生体を飼育して、ろ過バクテリアを十分に安定させる必要があります。
エビを入れられるようになるまで、数週間~1か月ほど置いた方が良いでしょう。
もっと手っ取り早い方法として、
最近では吸着系ソイルなどでpHを落としてあげるとエビの飼育の失敗が少ないと思っています。
底面式フィルターと一緒に使用すれば、セット翌日にエビを入れることも可能です。
ソイルが新しいうちは、水換えをさぼり過ぎないようにします。
pHが下がりすぎると、さすがにまずいからです。
牡蠣殻を何枚か入れておくのも良いでしょう。
ソイルなどでpHを下げる理由については、次で説明しています。
フィルター(ろ過器)は何を使う?
稚エビが吸い込まれなければ、 なんでもOKです。
酸欠に弱いので、外部式フィルターの場合はエアレーションもしてあげると安心です。
後述にもありますが、スポンジフィルターや底面式フィルターもオススメです。
自分の場合は・・・

今回新たに立ち上げた水槽では、100均のダイソーで購入した小物入れの中に、ほんの少し余っていたプラチナソイルと、実験的に赤玉土を入れた
底面フィルターを使用しています。
うっかりpHの下がり過ぎてしまうのを防ぐため、牡蠣殻を入れています。
エビの生育に必要なカルシウムの補給にも役立ちます。
水槽セットの翌日には、チェリーシュリンプを入れましたが、問題なく育成できています。
ソイルはごく少量なので、赤玉土だけでも特に状況は変わらなかったでしょう。
赤玉土やソイル、ついでにボラ土なども、pHを下げる効果があります。
この濾過方式にした理由は、我が家の水道水がpH8前後とかなり高めなので、
セット初期の高いpHを何らかの方法で下げ、アンモニアの毒性を抑えたかったためです。
また、水槽の底に溜まった汚れを掃除しやすいメリットもあります。
全面に敷いてもいいのですが、容器に入れた方がリセットが簡単になります。
pHを6~7程度にできれば、水槽セットの翌日~数日でエビを投入することが可能です。
吸着系ソイル+底面式フィルターは、レッドビーの水槽のスピーディーな立ち上げに良く使われる手法です。
セットからある程度時間が経った水槽が必須?
今回はレッドチェリーシュリンプを購入する前日に水槽をセットしています。
その状態から稚エビが成長していることを確認できるので、水槽セットからある程度時間が経った、ろ過の安定した水槽で
なくても、親エビと稚エビの両方を問題なく育成できることが実証できました。
ただ、ミクロソリウムやボルビディスの子株、ウィローモスの切れ端など、別の水槽から少しは入れてはいます。
これが稚エビの生育に役に立ったという点も、少しはあるかもしれません。
チェリーシュリンプの餌

特にこだわる必要はない思っているのですが、ひかりヌマエビという餌を与えています。
粒が小さいため、エサの量を調節しやすく、あげすぎることがありません。
コリドラスタブレットなどを上げてもいいでしょう。
また小型魚と混泳している場合は、エビのために餌をあげなくても、魚が食べ残した餌で十分なことが多いです。
動画を撮ってみました。
混泳について
大人しい小型魚との混泳は特に問題なくできるはずです。
とはいっても水草などの隠れ家は必要なので用意してあげましょう。
ほとんど障害物がない状態では、魚がエビに興味をもってしまい、
つついたりしてエビがストレスで隠れて出てこない場合があります。
また、ビーシュリンプやヤマトヌマエビなどとも混泳はできます。

ミナミヌマエビとは交雑してしまうので、混泳してはいけません。
混泳に注意が必要な魚は
- 大きくなる魚
- アベニーパファーなどエビを好んで捕食する魚
- コリドラスなど、低層を泳ぐ魚
- シクリッドの仲間(ラミレジィなども注意した方がいいです)
などです。
コリドラスなど底面を泳ぐ魚は、エビを蹴散らしていくので、あまりおすすめできません。
また、稚エビも捕食されやすいでしょう。
ですが、たくさん水草などの立体的な障害物があれば、共存も可能です。
もちろん、チェリーシュリンプの繁殖が目的であるなら、単独飼育の方がいいのですが。
ヒーターは必要か
寒い地域で無ければ飼育可能です。
これに関しては過去にまとめた記事があるのでこちらからどうぞ。
脱皮をしたら

脱皮の抜け殻を見てエビが死んでしまったと勘違いする方が多いのですが、
抜け殻は透明感があり、エビの死骸と一目瞭然です。
抜け殻はそのままにして構いません。
画像のようにエビが自分で食べます。
水槽内のエビが一斉に脱皮をしたら、それは注意をした方がいいです。
大きな水質変化などのストレスを感じると、一斉に脱皮をします。
特に、新しく買ったエビはそのような行動を見せることが多いです。
このような場合は、ある程度仕方ない部分もあり、大事にならないこともありますので、
観察を続けます。
繁殖の方法


チェリーシュリンプにとって、特に問題のない水質で飼育し続けると、そのうち雌のエビが卵を抱えるようになります。
チェリーシュリンプは繁殖力が強いエビなので、
繁殖のために特に何かをする必要はないです。
ミナミヌマエビと一緒だと思っていいかと思います。
水質を安定した状態で維持する事ができれば自然に殖えていきます。
フィルター内に稚エビが吸い込まれないように

水槽内で稚エビを発見したら、外部式フィルターや外掛け式フィルターなどを使用している場合は、
ストレーナーから稚エビが吸い込まれないように、ストレーナースポンジを装着します。
目が詰まりやすく、小まめにもみ洗いをしてあげないと、直ぐにポンプの流量が低下してしまうので、注意が必要です。
流量が低下するとエビに関わらず、酸欠で生体が死んでしまう可能性もあるため、常に流量のを確認するようにします。
そもそも構造上、稚エビを吸い込まないようなフィルターもあります。
底面式フィルターやスポンジフィルターです。
あまり初心者の方が使うことが少ないフィルターですが、非常に濾過能力も高く、コスパもいいのでエビの飼育にオススメのフィルターです。
底面フィルターはエビが増えてくると、掃除をする際に稚エビを一緒に吸ってしまい邪魔になるので、メンテナンスのことを考えると
スポンジフィルターの方が使いやすいかもしれません。
稚エビや抱卵したエビは隔離した方がいい?

その必要はありません。
エビは水質の変化を感じると、脱皮をしてしまいます。
卵を抱えた状態で脱皮すると、卵も殻と一緒に脱ぎ捨ててしまいます。
なるべく大きな水質変化を与えないことが重要ですので、抱卵した、又は生まれた水槽で飼育し続けることが
一番失敗のしにくい方法です。
稚エビに関しては、ろ過の安定したこなれた水槽に移すのであれば、死なずにうまく成長してくれたりもするので、
そういった状況では、稚エビを移動させることもアリなのかもしれません。
混泳してる魚もいるから、隔離した方がいい?
どんな種類の魚と混泳しているか、によるところが大きいです。
小型のテトラの仲間や、小型のコイの仲間など大人しい小型魚であれば混泳させたままでいいと思います。
水草などの隠れ家があれば、小型魚と混泳した状態で稚エビを育てることは可能です。
もちろんおとなしい小型魚であっても稚エビはいくらか食べられます。
ですが隠れ家がいくらかあれば、すべて食べられることはありません。
環境が合えば、チェリーシュリンプが増えすぎてしまう事もあります。
稚エビの餌

稚エビのためにあえて餌をあげる必要はありません。
あれこれいじらず、放って置くことも肝心です。
勝手にエサの食べ残しや、水槽内の藻類や堆積した有機物などを食べて成長していきます。
上の画像くらいになると、親エビと一緒に餌に集まってきて食べようとします。
たいてい大人のエビに蹴散らされてエサにはありつけないのですが(笑)
稚エビが生まれたら水換えはしないほうがいい?
今まで通りした方がいいです。
1/3程度の水換えで、稚エビが死んでしまう事はないでしょう。
その代わり、水換えによる急な水温の変化は避けます。
ヒーターを入れた水槽で、冬場に冷たい水を大量に入れるのやめましょう。
冬は1度に水換えする量は控えめにしておきます。
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