フィルター(濾過器)無しの水槽で魚の飼育はできるのか

こんにちは。なおたろーです。

魚やエビを飼育する場合、専用のフィルターを使用するのが常識です。

フィルター(ろ過機)無しで飼育することはできないのでしょうか。

フィルター無しで飼育できる?できない?

結論から言うと、できます。
なんとかできなくもない、というよりは、状況によってはフィルター無しで問題なく飼育ができます。

また、フィルターがなくても、エアレーションがあると濾過能力が違ってきます。

メダカを屋外で飼育している方なら、経験の中でフィルター無しの水槽で、
飼育が可能なことが経験から分かるかと思います。

なぜフィルター無しで飼育できるのか

アクアリウムの知識がある方であれば、
フィルター無しの水槽では、生物ろ過が機能しないのではないか、疑問に思うはずです。

フィルターのろ材の中に、生物にとって有害な物質を分解してくれるバクテリアが住み着いているからこそ、
生物濾過が機能しているはずだから、フィルターが無ければ濾過は機能しないはず・・・

確かにそれが常識です。

ですが、バクテリアが住み着く場所はろ材の中だけではありません。

水槽の壁面、砂利の表面、水草の表面などあらゆる所に、バクテリアは住み着いていると考えられます。

水草無しのベアタンクの場合は?

さて、砂利を敷かない状態で飼育する水槽のことを、ベアタンクといいます。

さすがに水草も砂利も無ければ、厳しいのでは?

いえいえ、どちらも無くてもある程度、生物濾過が機能してきます。

壁面にも想像以上にたくさんのバクテリアが

水槽をセットしてからしばらく管理していると、壁面が茶色っぽく汚れてきます。
普通は見た目が悪いので、水換えのついでにスポンジなどでこすり落としてしまいます。

ですが、フィルターを設置していない水槽の場合は、ある程度壁面の汚れを残しておきましょう。

この壁面のザラザラとした汚れの表面にも、非常にたくさんのバクテリアが住み着いていると推測できるからです。

その根拠ですが、実際にやってみると結構な密度で魚を飼育できるからです。

60リットル近く入る衣装ケースで、メダカの成魚を40匹程度飼育することは難しいことではありません。
わりとしっかり餌をやっていても、5日に一度程度ほぼ全換水で飼育することができます。

メダカの飼育では、トロ船やプラスチック製のケースなどで、ベアタンクの状態で飼育する方が多いです。
そういった方の中では、フィルター無しの飼育は、当たり前だったりするのです。

もちろん、バクテリアのバランスが整うまではある程度時間を要します。
1か月ほどはかかるでしょう。
これはフィルターを設置している水槽でも同じです。

青水でなければならない?

青水で無くても、濾過は機能します。

必ずしも青水ができるような直射日光を当てる必要はありません。

ですが青水には有害な物質を分解する力があるようです。
屋外でしっかりと日光を水槽に当てて、青水を作ることができれば、
濾過能力をアップさせることができるでしょう。

フィルター無し飼育のコツ

どんな場面でも、フィルター無しで飼育できるというわけではありません。

フィルター無しで飼育するには、どんな条件が必要でしょうか。

水面の表面積が広くとれる水槽を選ぶ

生体にとっても、バクテリアにとっても酸素は重要です。
水面が広いほど酸素が多く取り込めます。

いくら水量があっても、高さのある水槽では、酸素が不足しがちになり、うまく維持ができないことが多いです。

水が淀まないシンプルなレイアウト

水草がたくさん繁茂していたり、流木などの障害物が多すぎると、水が淀み、水槽内の酸欠状態になります。
エアレーションやフィルターを使用している場合はなんとかなることが多いのですが、
フィルター無しの水槽では致命的です。

生体は、調子を崩し死に始め、水質も急激に悪化します。

水草が茂りすぎた場合は、もったいないと思っても、思い切って間引いて処分します。
あまり凝ったレイアウトはしないようにしましょう。

飼育する生体は小型のものを

水槽の水量にもよりますが、飼育するのはメダカやエビ程度の小さな生体がいいでしょう。

微生物の住み付く場所を増やしてやる

ベアタンクでも濾過は機能しますが、水槽の壁面以外にも、バクテリアの住処を作ってあげるとより水質が安定しやすくなります。
特に、セットしたばかりの水槽の場合、壁面がつるつるしているので、濾過能力が機能するまで、時間がかかります。

バクテリアの住処をもう一つ、二つ用意してあげると効果的です。

例えば、

  • 牡蠣殻を入れる
  • 赤玉土を入れた容器(素焼き鉢など)を沈める
  • マツモやウィローモスなどの水草を入れる

以上のような物をプラスアルファで入れてあげると、よりフィルター無しの難易度が下がります。
できれば、別の調子の良い水槽に入っているものを入れてあげると良いでしょう。

ベアタンクの場合は、基本的に飼育水が酸性に傾いていきますので、
酸性に傾くと調子を崩すメダカのような魚の場合は、牡蠣殻を入れると効果的です。

赤玉土を入れた容器を沈めるという方法は、メダカの愛好家の間でよく行われているようです。

ウィローモスを一握り入れてあげると、だいぶ違う気がします。
これは室内で飼育されるアクアリストの方は実感している方が多いかと思います。

魚の密度に応じて、換水の量を考える

週に一回1/3水換えが一般的な考え方ですが、この考えに固執する必要はありません。
水がどよーんと濁っていたり、魚の状態が悪そうであれば、日常の水換え+αで全換水が必要になるときもあります。

ただし、自宅の水道水の水質を確認しておいた方がいいです。
かなりアルカリ寄りの水質の場合は、調子を崩す生体もいるためです。

底に溜まった汚れをしっかり吸い出す

底の方に有機物が大量に溜まっていくので、水換えと同時に吸い出します。
汚れが溜まるフィルターを掃除する手間がなくなるので、その分手間は減ります。

エアレーションがあると、より安定する

エアレーションを軽くしてあげるだけで、より水質が安定し、魚のコンディションが良くなります。

ただしあまりエアレーションの勢いが強いと疲れてしまう場合があるので、
魚の種類に応じてエアーの流量を絞りましょう。

ちなみにメダカの場合でもエアレーションを軽くしてあげると、調子よく飼育しやすくなります。