熱帯魚って飼うのが難しそう!
って先入観はどうしても持ってしまいがち。
ですが、ネオンテトラをはじめとした小型魚の多くは、飼育が難しいわけでは無いのです。
実は金魚やメダカよりもよっぽど簡単なんです。
ただし、「魚を飼育すること」自体に、注意しなければならないことは たくさんあります。
今回は熱帯魚初心者の方のほとんどが最初に飼う魚、
ネオンテトラを飼育する上で注意すべき点と、
熱帯魚の飼育はむずかしくないよ!ってことをお伝えできたらなと思います。
もくじ
なぜネオンテトラが初心者向けなのか
熱帯魚の中でもかなり安い
価格は一匹100円くらいで、熱帯魚の中でもかなり安い部類です。
安いのに派手できれい
熱帯魚の魅力は、その華やかな体色にあります。
水槽にまとった数のネオンテトラを入れてみれば、きっと感動するはずです。
丈夫で飼いやすい
ネオンテトラは丈夫な部類です。
ただし入荷直後は病気をしやすくなっています。
特にネオンテトラは入荷後全滅してしまう事が多い魚です。
そのデリケートな時期を乗り越えれば、丈夫な魚であると言えます
できれば入荷から2週間ほど経ったネオンテトラを買うようにしましょう。
店員さんに聞けば教えてくれます。
混泳がしやすい
ネオンテトラの飼育がうまく行ったら、今度はいろんな種類の熱帯魚を一緒に泳がせてみたいと思うはずです。
ネオンテトラは温和な魚なので、同じような大人しい種類の小型魚であれば混泳は大概うまく行きます。
最初に荒い性質の熱帯魚を入れてしまったら、あとから別の種類の魚を入れるのは難しくなりますからね。
ネオンテトラがメダカや金魚よりカンタンな理由
メダカってすぐ死にませんか?
メダカを健康に育てるためには、太陽の光を沢山必要とします。
光が弱い環境で育てると、どんどん弱って死んでしまいます。
室内でメダカを育てると長生きしないのは、そのためです。
僕は熱帯魚屋さんで働いていたことがあるのですが、
メダカは仕入れてから日が経つにつれて健康状態が悪くなっていくのが基本で、
状態が良くなっていくことはほぼありませんでした。
室内で管理していたので、光が不足していたことが一番の原因でしょう。
一方ネオンテトラなど小型魚は、小売店の必要最低限の飼育でも、だんだん健康状態が良くなっていきます。
一日一回の給餌でも、痩せていた個体がだんだん太って、そして成長していきます。
これは、メダカに比べて代謝がゆっくりなこと、強力な日光を必要としないことが関係していると推測しています。
金魚はデカすぎる
金魚に関しては、正直、日本の一般家庭で軽い気持ちで飼育するには、大きすぎる魚です。
本来30cm程度に成長する魚です。
大量に餌を食べ、水をとても汚します。
僕は、金魚は設備の面も含め、飼育が難しい部類の魚だと考えています。
まずはネオンテトラの飼育に必要な器具をそろえる
ネオンテトラを実際にお店で購入する前に、必要な器具を揃えてセッティングしておきます。
器具とネオンテトラを同時に買ってはいけません。
焦る気持ちを抑えて、ネオンテトラを出迎える準備をします。
最低限必要なもの
- 水槽
- フィルター(ろ過器)
- ヒーター
- エサ
- カルキ抜き(塩素中和剤)
- 砂利かソイル
- 水換え用の道具
- 水温計
ヒーターが必要ということ以外、メダカや金魚の飼育と大して変わりません。
シンプルに考えていきましょう。
ついでにいらないものも挙げておきます。
特に必要ないもの
- バクテリア剤
- よくわからない水質調整剤
バクテリアは魚や、魚が入っていた水、水草などから勝手に入ってきます。
心配しなくても、そのうちバクテリアは上手く機能してくれます。
バクテリアを早く定着させたいのであれば、
一番いいのはうまくろ過が機能している水槽から、砂利やろ材を一握りでも入れてやることです。
その水槽の飼育水を入れるのもよいでしょう。
水槽の大きさは?
水槽が大きいほど水質が安定するので、飼育が簡単になります。
ネオンテトラを入れられる数は、1リットルに1匹が目安です。
ですが最近は小さな水槽を選ぶ方が多いですね。
「初心者は60㎝水槽から」なんて一昔前は言ってましたが、悲しいことにそういう時代は終わってしまったようです。
今や60㎝水槽は大型水槽といってもいいかもしれません。
さて、ネオンテトラを飼育するのであれば、
水量が15リットル以上入る水槽を選んであげましょう。
オススメはキューブタイプの水槽です。
かなりオシャレに見えます。
ちゃんと水槽の管理ができるようになれば、水量が10リットル程度の水槽でも飼育はできますが、
初心者のうちはやめておきましょう。
フィルター(ろ過器)はどれがいい?
はっきり言ってなんでもいいです。
別に投げ込み式フィルターでも構いません。(でもソイルと一緒に使っちゃダメ)
迷ったら、手軽な外掛け式フィルターがいいんじゃないでしょうか。
見た目も悪くないですし、音も比較的少ないです。
水槽の大きさに合わせて、フィルターの型を選んでください。
中身のフィルターを交換したら、バクテリアがほとんどいなくなってしまうんじゃないかと心配される方もいますが、
砂利を敷いていれば問題になることはほとんどありません。
ヒーターは?
水量に見合ったワット数のヒーターを選びます。
水換えの時など、空焚きしないように注意してください。
サーモスタットと一体型のヒーターの方がすっきりして良いでしょう。
空焚き防止機能付きのものが良いです。
エサは?
小型熱帯魚用のエサをあげます。
フレークタイプより顆粒タイプの方をオススメします。
顆粒の方が水が汚れにくく、栄養価も高く、食いつきもいいです。
エサは1種類だけで大丈夫です。
内容量が少な目の商品を買ってください。
大きい容器の物はなかなか使いきれないので、エサが古くなってしまいがちです。
数カ月で使い切るようにします。
カルキ抜き(塩素中和剤)はどれがいい?
なんでもいいです。
安いのにしときましょう。
当然水換えの時は、しっかりカルキ抜きを入れてあげましょう。
底床(砂利やソイル)はどんなのが良い?
底床(砂利やソイル)は、水槽の見た目をよくするためだけに入れるのではありません。
実は「第二のフィルター」の役割をしています。
砂利の中には意外なほど多くのバクテリアが生息しています。
砂利などを敷いてあげるだけで、大幅にろ過能力は上がります。
さて、砂利かソイルですが、どっちでも飼育は可能です。
どっちの方が上手くいくかというと、ソイルです。
ネオンテトラは弱酸性の水を好みます。
砂利でも飼育しているうちに段々とpHは下がっていきますが、セット初期は逆にpHが高くなってしまう事もあります。
飼育に慣れていれば、砂利やソイル無しでも飼えるようになりますが
できるだけ飼育の難度を下げたいのであれば、ソイル(吸着系)を使用すると良いでしょう。
砂利を選ぶ場合
僕も書いてて気づいたのですが
意外と、砂利の選択には気を使った方がいいです。
大粒のものは選んではいけません。
エサやフンが隙間の奥に入り込んでしまう上に、砂利掃除がかなりしにくいです。
白い砂利は汚れが目立つのでオススメできません。
また、細かい「砂」もやめておきましょう。
ぎゅっと隙間なく詰まるのでろ過バクテリアが活動できません。
また、不衛生になりがちで、病気の原因にもなります。
明るい砂利であればこれがお気に入りです。
そのまま水槽に入れると濁ってしまうので、ちゃんと水で洗ってから使います。
ソイルを選ぶ場合
ネオンテトラなど、多くの熱帯魚の好む、酸性側に傾いた水質を作ります。
ソイルは崩れやすいので、扱い方に少し注意が必要です。
決して洗ってはいけませんよ(笑)
もしソイルにするなら、吸着系ソイルと呼ばれているものをオススメします。
セット初期はバクテリアの活動が十分でないため、水槽内の有害物質の濃度が上がっていってしまいます。
吸着系ソイルであれば、そういったセット初期の有害物質を吸着してくれます。
ですので、吸着系ソイルを使ってあげた方が、より簡単に飼育をすることができます。
これが僕の一押しのソイルです。
この製品は「パウダー」が普通のソイルの「ノーマル」の粒の大きさです。
価格も安くて、使いやすさも折り紙付き。
水質悪化に弱いレッドビーシュリンプの育成に使用する人も多いです。
ソイルじゃないとうまくいかない場合もたまにあるよ
熱帯魚飼育に何度挑戦しても上手くいかないという方は、水質を酸性側に傾けるソイルにしてみると上手くいくかもしれません。
水道水のpHが非常に高い地域に住んでいる方は、熱帯魚の飼育が上手くいかないことがあります。
気になったら一度水道水のpHを調べましょう。
水換え用の道具
これも砂利と同じく、水換え用の道具チョイスは、侮るなかれ、大事なところです。
これはプロホース一択です。
水換えをしながら砂利掃除もできる優れもの。
これなしでどうやってアクアリウムするんですか、っていうくらい大事です(笑)
水換えは、水抜くだけじゃだめなんです。
水温計
水温計はつけてあげましょう。
夏場、水温が上がりすぎてしまうと弱ったり死んでしまうことがあります。
熱帯魚は暑さに強いと勘違いされている方が多いですが、全然そんなことは無いです。
30度超えてくるとネオンテトラに負担が掛かってきますので、
その場合は窓を開けたり、水槽用のファンを設置してあげます。
ネオンテトラを購入する
水槽のセットが完了したら、ネオンテトラを購入するわけですが、
いきなり沢山の数を入れてはいけません。
まずはかなり少なめに購入し、1~2週間ほど様子を見ます。
水質に問題が無いか確かめるためと、バクテリアの繁殖を促すためです。
問題無さそうであれば、ネオンテトラを追加していきます。
一気に沢山入れるのではなく、できれば少しづつ増やしていくのが良いでしょう。
吸着系ソイルの場合は、気持ち急いで入れても良いと思います。
ネオンテトラの選び方
ネオンテトラをショップで買う場合は、前述した通り、できれば入荷から2週間ほど経ったネオンテトラを買います。
入荷後間もないものは、病気で死亡する可能性が高いので、やめておきます。
注文を出す前によく観察してください。
死体がある水槽、お腹がへこんでいる、ヒレがボロボロ、白い点々が付いてる、血がにじんでいる、
といったネオンテトラがいる水槽は、やめておきます。
一緒に泳いでいるネオンテトラが元気そうでも、やめておいた方がいいです。
これから同じような病気が発症する可能性が高いからです。
ネオンテトラの日常の管理
エサやり
毎日のエサやりには、くれぐれも気を付けてください。
初心者の方が一番失敗しやすい部分です。
数分で食べきる量と説明書きには書いてありますが、
ネオンテトラが餌に慣れた状態で、
30秒程度で食べきる量にしておきます。
食べ残しは水を汚します。
エサの量の感覚がつかめない間は、慎重に、ちょっとずつあげてネオンテトラの食事量を知りましょう。
特にセット初期はかなり少な目にあげた方がいいです。
エサの回数
ネオンテトラの場合は、一日一回で十分です。
二回やっても良いですが、一回あたりの量は少なくします。
水換え
飼育密度にもよりますが、1~2週間に1/3程度換えます。
砂利を敷いている場合は、プロホースで砂利掃除をしながら水を換えましょう。
砂利敷いてる水槽では、砂利掃除必須です。
でも、毎回丸洗いなんてしたらダメですよ。
手間がかかり過ぎるし、なにより濾過バクテリアのバランスが大きく崩れます。
ソイルもプロホースで掃除する?
ソイルであれば、汚れを吸い出して掃除をする必要がないという意見が良くありますが、
経験上ソイルの場合もプロホースで定期的に掃除した方が良いです。
ただし、汚れが溜まっていなければする必要はありません。
ソイルは粒が崩れやすいからです。
ですのでパイプをむやみにソイルに突っ込んではいけません。
水換えの際に、表面の方を軽く吸ってみて、汚れが溜まってないかを確認してみましょう。
流木などの障害物の陰に汚れが溜まりがちです。
あまりソイルの深い部分まで吸わないように、表面の部分に溜まった汚れを吸い取ります。
ヒーターの空焚きに注意!!
水換えのときなど、ヒーターが空気に触れる状態にならないようにします。
ヒーターが付いていることを忘れてはいけません。
最後に
ネオンテトラの飼育方法についてまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか。
最初に述べた通り「魚の飼うこと」自体に、注意しなければいけないことが沢山あったので、
結構長い文章になってしまいました。
結果的に小型魚を飼う上での基本中の基本をお伝え出来たかと思います。
ネオンテトラは小型魚の中では簡単なお魚であることは間違いありません。
ぜひ勇気をもって、熱帯魚の飼育にチャレンジしてみてください。
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