前半は初心者の方がやってしまいがちな失敗をご紹介します。
後半は、飼育方法以外の、メダカが死んでしまう根本的な理由と
死ににくいメダカの選び方についてまとめています。
もくじ
メダカを死なせてしまうよくある失敗
雨水を使っている
意外と多かったのが、水道水ではなく雨水で飼育をして死なせてしまう方です。
メダカは、屋外で溜まった雨水をそのまま利用して飼育することはできません。
雨水はかなり酸性に傾いているので、メダカなどほとんどの魚にとって非常に過酷な水質です。
また、雨水が飼育水槽に大量に注ぎ込むことも、メダカにとって良くありません、
多少雨が入ったくらいでは問題ありませんが、大雨などで雨が入り過ぎると、水質が急変してメダカが調子を崩すことがあります。
屋外で飼育する場合は、水槽を軒下に移す、雨が降るときはフタをしてあげるなど、雨水がなるべく水槽内に入らないようにしましょう。
水をずっと換えていない
水槽の水はたまには換えてあげる必要があります。
飼育密度によりますが、1~2週間に一度は1/3~1/2程度換えてあげます。
水を飼えないまま飼育し続けていると、水質は悪化し、だんだんと酸性に傾いていきます。
メダカは水が酸性に傾いてくると、だんだんと体調を崩して病気になったりして死んでしまいます。
先ほど説明したように、雨が好き放題入るような状態で、しかも水を換えなかったとしたら、非常に良くないですね。
メダカが死んでしまうような水にもう一度メダカを入れても、当然また、すぐに死んでしまいます。
メダカは小まめな水換えを好む魚です。
めんどくさくても、必ず定期的に水換えをしましょう。
水道水の水質に問題がある
水道水は地域によって、非常にpHが高いことがあります。
つまり、アルカリ性にかたよった水ですね。
メダカは極端にアルカリ性にかたよった水質の水道水でも、しばらくは耐えてくれますが、調子を崩しがちになってしまいます。
メダカの飼育がどうやっても上手くいかない場合は、一度水道水のpHを測定してみることをおすすめします。
pHが異常に高い水道水でメダカを飼育する場合はどうしたら良いでしょうか。
赤玉土をメダカの水槽に入れてあげると、ある程度pHを下げてくれます。
メダカを入れる場合は、赤玉土を入れてから数日置いた方がいいでしょう。
また、赤玉土はリンなどの溜まった養分を吸着してくれたり、
水を浄化する微生物の住処にもなります。
赤玉土を入れてあげると、だいぶ飼育が簡単になりますよ。
塩素(カルキ)を抜いていない
これはあまりないと思いますが、蛇口をひねって出した水道水を、そのままメダカの飼育に使うことはできません。
なぜなら、水道水には雑菌の繁殖を防ぐために、塩素が含まれているからです。
塩素は魚のエラに付着して、細胞を破壊してしまいます。
水道水はそのまま使うのではなく、一日汲み置きした水を使うか、塩素中和剤(カルキ抜き)を混ぜてから使いましょう。
メダカが「すぐ」に死んでしまう理由
今回お話しするショップ、というのはメダカ・金魚・熱帯魚などを総合的に扱う、一般的なお店です。
メダカ専門店や、独自の流通ルートで仕入を行い、状態の良いメダカを販売されているお店もありますので、あしからず。
メダカを何回飼っても、1週間以内に死んでしまう。
一生懸命飼育しているになんでだろう?
ショップでこんな質問した人もいるでしょう。
「メダカがすぐ死ぬのはどうして?」
すると店員さんが
水合わせのことや、水質についてなど、色んなことを教えてくれるでしょう。
もちろん水合わせは大事ですし、水質に問題があることが多いのも確かです。
でも、本質的な問題に触れることはありません。
店員さんが悪いのでは無く、店員さんの立場上あまり言えないからです。
心を痛めている店員さんも多いはずです。
メダカがすぐ死んでしまう一番の理由は
ショップに入荷した時点で、すでに体力を著しく消耗し弱っていることが多いからです。
もしかしたらあなたは、数日で死んでしまう運命のメダカを購入しているのかもしれません。
こんなこと、店員さんは言えませんよね。
なので購入するお客さん自身が、しっかりと自分の目でメダカの状態を判断しなければいけません。
ちなみに状態抜群で体力のあるメダカは、少々雑に扱ってもすぐに死ぬということはなかなかありません。
ショップで売られているメダカは状態が悪いことが多い?
ショップで働いていたときに感じたことですが、メダカは入荷後何日かすると、バタバタと死に始めてしまうことが、本当によくありました。
特に以下のような安いメダカにおいて顕著でした。
- ヒメダカ
- 黒メダカ
- 青メダカ
- 白メダカ
- 楊貴妃メダカ
上から安い順に並ベています。
ひとたびメダカが死に始めると、いろんな治療法を試してみても、
ほとんどの場合、効果が見られた事はありませんでした。
あっというまに全滅してしまいます。
一気に死ぬことは無くても、
痩せたりヒレがしぼんでいて、泳ぎに力強さがないメダカは、
少しづつ、でも確実に死んで行きます。
メダカは一度調子を崩すと、立て直すことが非常に難しいお魚です。
さて、なぜショップのメダカは弱っていることが多いのでしょうか?
それは、流通のシステムに原因があります。
生産者→問屋→小売店→消費者
といったようなルートでメダカは輸送されていきます。
メジャーな品種のメダカは単価が安く、需要もあり、大量に取引されます。
安いメダカというのは、それなりに雑に扱われてしまいます。
問屋さんが仕入れた大量のメダカに、しっかり行き渡るように餌やりなんてしてしまえば、ストックしている水槽の水質が急激に悪化してしまいます。
また、エサをあげないというのは、輸送用の袋の中の水が汚れてしまうことを防ぐためでもあります。
安いメダカなので、少ない水の中に大量に詰め込んで輸送しなければ、割に合いませんよね。
この輸送中の袋の中の水質も非常に悪化してしまうため、メダカにとって大きなダメージとなります。
メダカがやっとの思いで小売店にたどり着いても、結局、水槽に過密状態で入れられるため、体力が回復するほど十分に餌を与えることができません。
この長期間の餌を抜かれる、少ない水の中に詰め込まれての輸送、という環境がメダカの体力が著しく消耗する大きな要因ではないでしょうか。
また、ショップ内の水槽というのは、メダカにとって必要な光量が不足していることがほとんどです。
強力なライトを照射するか、日光が差し込む場所に水槽を設置しない限り、消耗したメダカの体力を回復させるのは難しいでしょう。
死ににくいメダカの選び方
メダカを選ぶときは慎重にならなければいけません。
死骸が無いか確認する
まずはメダカが入れられている水槽の底をよく見てみましょう。
水槽の底で、メダカの死骸が見つかるようであれば、その水槽のメダカは購入を見送るべきです。
その水槽のメダカたちは、元気そうに見えても、死んでしまったメダカと今まで同じ環境にいたのです。
元気そうに見えても、死んでしまうほどの大きなストレスを受けているはずです。
メダカの健康状態を確認する
一番重要なことは、痩せているメダカは選ばないということです。
適度に太っている個体を選びます。
ヒレもよく見てみましょう。
ヒレがしぼんでしまったり、畳んでいるように見えるメダカは選んではいけません。
メダカの泳ぎ方も重要な判断材料になります。
弱っているメダカはふらふらと、軸がぶれたような泳ぎ方をします。
元気なメダカは機敏に泳いでいるはずです。
弱ったメダカは病気にかかりやすく、体表に白いモヤモヤが、充血、体の一部が白く濁る、という症状が出やすいので、
そういったメダカが居ないか水槽全体を確認しましょう。
特に病気のメダカが居た場合は、ほかのメダカも次々に病気に侵されていくことがほとんどなので、よく確認しましょう。
近くにメダカ専門店があればそこで購入する
メダカを自家繁殖させているメダカ専門店が近くにあれば、そこで買うことをお勧めします。
生産者から直接購入することが、状態の良いメダカを購入する最も確実な方法です。
メダカ専門店では屋外でメダカを管理していることが多く、日光をたっぷりと浴びた状態抜群のメダカを見ることができます。
メダカの飼育において、光を当てる事が重要とされています。
最初は僕も疑っていましたが、光の有無で、メダカのコンディションに歴然の差が出ます。
光のほとんど当たらない暗い環境で飼育すると、明らかにメダカが調子を崩しやすくなります。
ちなみに光は、太陽光に限らず、LEDや蛍光灯でもOKです。
光量は最低でもマツモなど丈夫な水草が育つ程度の、なるべく光量のあるライトを選んであげると良いです。
まとめ
今回はショップで販売されているメダカが弱っている理由と、メダカの選び方について、
僕の考えをまとめてみました。
家に迎えるメダカを選びかたには、先ほどご紹介したような、ちょっとした知識が必要だったりします。
でも本来メダカは非常に丈夫で飼育しやすく、繁殖も簡単に楽しめる魚です。
購入したから最初の1週間を乗り切れば、メダカは飼育がとっても簡単なお魚だと気づかされるはずです。
是非皆さんも、メダカ飼育の楽しさを知ってもらいたいと思っています。
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